この話の概要
「今時のCPUで新型CPUにしても体感ほとんど変わんないですよ?」
「でもベンチマーク数値伸びると嬉しいは嬉しいですよ?」
「CPUだけ交換すると(その為にBIOSアップデートすると)トラブル出る場合もありますよ?」
という話になります(私の体験談)
(※)最新の3Dゲームで遊んでる人やYouTuberなどで動画エンコードを大量にする人は別です。どんどん高性能PC買ってください。そもそも「その場合はGPUこそ重要」って話にもなりますが・・・
こんにちは、「Sandyおじさん」です
こんにちは「Sandyおじさん」です
「Sandyおじさん」というのは13年前の2011年に発売された「Sandy Bridge世代」こと「intel core i7 2600」などを長期間使い続けていた人の事を言います
私も2011年に買ったcore i7 2600(メモリ16GB)のデスクトップPCを2019年まで8年間使い続けてました
core i7 2600のcinebenchの値がおおよそ以下の通りでした
cinebench R23 マルチ3647/シングル759
cinebench R15 マルチ622/シングル134
このcinebench R23/R15の値がその後のPC買い替え/買い足しタイミングの判断基準になります
5年前の2019年に「Sandyおじさん」を卒業してRyzen5 3600のデスクトップPCに買い替えました。同時期に第8世代core i5のノートPCも入手しました
Ryzen5 3600 メモリ16GB→32GB
cinebench R23 マルチ8298/シングル1168
cinebench R15 マルチ1488/シングル184
(※)「Sandyおじさん」の2倍くらい
ZenBook UX430U(第8世代 core i5)メモリ8GB(オンボード固定)
cinebench R23 マルチ2405/シングル857
cinebench R15 マルチ469/シングル137
(※)「Sandyおじさん」よりちょっと劣る位
Ryzen5 3600のデスクトップもcore i5のノートPCも「Sandyおじさん」のcore i7 2600の時との体感差は無かったというか「違い」が分からないレベルでした(ゲームとか動画のエンコードとかしない使い方の場合)
ノートPCを買い替えました
(ゲームや動画のエンコードをしない使い方なので)2024現在でも上記の「5年前のPC」で全く困っていなかったのですがノートPC側の「メモリ8G」だけは大問題で、dockerとか各種エミュレータとかvmwareとかを使う時に明らかに「メモリが足りない状況」が2年ほど前から続いており、新PCで環境構築するのが面倒くさかったので延ばしに延ばしていたのですがついにノートPCは買い替えました
変更前のノートPCはSSD 256GBだったので常に外付けのSSD 512GBを付けてる状況でした
ThinkPad E14 gen6 AMD(Ryzen7 7735HS メモリ32G SSD 1T)
cinebench R23 マルチ10292/シングル1515
cinebench R15 マルチ1789/シングル244
この時点でデスクトップのRyzen5 3600の性能をノートPCが上回ってしまう事に気づきました
(※)尚、ゲームや動画エンコードをしないので体感差はほとんど感じていません。メモリ32GになったのとSSD 1Tになった事は物凄く嬉しいですがCPUの性能向上はあまり感じません
デスクトップPCのCPUをRyzen5 3600→Ryzen7 5700Xに変更しました
「どうせ体感差はないだろうなあ?」と思いつつもノートPCにデスクトップPCの性能が負けてるのもなんか嫌だったのでデスクトップPCの買い替えを検討しました
(※)ちなみに「core i7 2600を8~9年使ってた事」を「Sandyおじさん」と言うなら「Ryzen5 3600を5年も使ってた事」は「Ryzenおじさん」とか「Zen2おじさん」とか言ってもいいんでしょうか?
(メモリ32GBにしてた事もあって日常使いでは全然困って無かったんですよね?)
Intelの13世代、14世代は(一応解決したらしいとはいえ)「一歩間違えればCPUがぶっ壊れるリスク」は依然としてある状況なのでRyzenでの買い替えを優先して検討したのですがRyzen9000番台と7000番台でソケットAM5のマザーと含めた買い替えを検討した時に今一つコスパの悪さを感じていて、そんな中で「ソケットAM4マザーを使ったままでCPUだけRyzen7 5700X(2万円ちょっとでTDPも65Wと省電力・低発熱)に差し替えるのが流行ってる」事に気づきました
なんなら「Ryzen 2000/3000番台のPCをRyzen7 5700Xに差し替える話」って1年前から流行ってた事に今更ながら気づきました(が、今でも有力な選択肢のままではあったみたいです)
なので、「CPUをRyzen7 5700Xに差し替える」事にしました
結論から言うと、Ryzen7 5700Xに差し替えた後のベンチマーク数値は
cinebench R23 マルチ13174/シングル1528
cinebench R15 マルチ2230/シングル251
となり、ノートPCと同等以上にはなりました
(というか5年前10年前はノートPCの性能は同じ型番のシリーズでもデスクトップの半分以下だったのが、今やノートもデスクトップも性能差殆ど無くなってて驚いてます。ノートはSSDを多数内臓できなかったりGPUを内蔵できなかったりデメリットもありますが、それらがいらないならノートPCだけをメインPCにして全く問題ないですね)
マザーボードのBIOSの変更
マザーボードも5年前に買った物で購入時からBIOSの更新とかしてなかったので、「そのままではCPUをRyzen7 5700Xに変更できない」という状況であり、マザーボードの型番のページから対応する最新BIOSに更新しました
私のPCは5年間使っていて「色々なソフト」がインストールされた状況だったので、ここで色々な問題が発生しました
(※)尚、Windowsを新規インストールするなら発生しない問題です
(※)問題の内容については、各人のソフトのインストール状況によって発生する問題も解決方法も違うので「この話」自体は参考にならないと思います。ただ「色んな問題が発生する可能性があるので、問題が発生したら解決する能力が求められる」という点が参考になるはずです
(トラブル解決に自信が無いなら無理にCPU交換はしない方が幸せかもしれません。なんせゲームや動画エンコードでもしない限りは体感で速くなったとか感じないんですから・・・ベンチマークの数字見て喜ぶ事はできます・・・)
問題1 VirtualBoxやVMwareのネットワークがおかしくなった
MSIのマザーボードを使っていたのですが、BIOSを最新版にしたところ、マザーボード関連のソフトやドライバの更新画面が表示されたので、指示に従って最新版にしました
それが原因だと思うのですが様々な問題が発生しました
まずはネットワークアダプタが勝手に変更されました
「イーサネット1」Realtek PCIe GbE Family Controller
というアダプタが勝手に削除され、代わりに
「イーサネット5」Realtek PCIe GbE Family Controller #2
というアダプタに変わっていました
この結果、VirtualBoxやVMware、Hyper-Vなどのネットワークのブリッジ接続設定が壊れ、VMを起動してもネットワーク接続ができなくなりました
この問題はVirtualBoxやVMwareなどをアンインストール→再インストールなどして解決しました(簡単な対応)
問題2 ローカルIPアドレスで静的IPアドレスが設定できなくなった
これが原因不明で超・悩みました
ネットで探しても解決情報は見つからず、結果的に自分で見つけた形ですが、こういうトラブルの解決を自分でできない場合はCPU交換には慎重になった方がいいです
IPアドレスを「192.168.1.15」の様な固定アドレスに設定して使っていたのですが、BIOS変更後「デフォルトゲートウェイが設定できない」という謎の現象が発生しました
当初、何をやっても解決せず、ネットをどう調べても「同じ症状で苦しんでいる人」はいても「解決方法に至った人」がおらず、原因不明のままになるところでした・・・
結論はSONYのnasne用のソフト「PC TV Plus」の特殊機能が原因でした
「PC TV Plus」の本体機能自体に問題はないのですが、最近のバージョンで追加された「SeeQVault機能」というのが曲者で、この機能を有効にしているとネットワークデバイスとして「tap-windows adapter v9 for pixnsm」というのが追加され、これが原因でゲートウェイが重複するという症状でした
私はSeeQVault機能は使わないので、デバイスマネージャのネットワークアダプタから「tap-windows adapter v9 for pixnsm」を「デバイスのアンインストール」して削除する事で解決しました
(※)という情報はネットのどこにも載って無かったので半日くらい解決に手間取りました
解決できなかったかもしれません
問題3 CPUの温度とファンコントロールの速度が見えなくなった
5年前の古いマザーボードなので「MSI command center」というソフトでCPU温度を確認したりファン速度を確認してファンコントロールしたりしていたのですが、BIOS変更後、CPU温度もファン速度も表示できなくなりました(「MSI command center」自体が起動できなくなりました)
BIOS更新直後の自動インストールで「MSI Center」という別アプリがインストールされていて、こちらでもCPU温度やファン速度が表示できるはずが、こちらでも表示できませんでした(0℃などと表示)
これはネット検索で見つかったのですが、「MSI Center」というソフトとnVidiaの「GeForce experience」というソフトがバッティングしてCPU温度などが取得できなくなるそうです
そういえば確かにBIOS更新前は「MSI Center」はインストールしてなかったので、改めて「MSI Center」をアンインストールしたら元に戻りました
尚、Ryzen3600時代は標準のWraith Stealth CPUクーラーを標準添付のグリスのまま使っていたのですがRyzen5 3600でデフォルト60℃、cinebench R23周回で95℃とか超高温だったのが、Ryzen7 5700XでCPUクーラーをAK400にしたらデフォルト30℃台くらいまで20~30℃ほど下がりました
CPUとCPUクーラーの交換
CPUの交換(Ryzen5 3600→Ryzen7 5700Xへの交換)とCPUクーラーの交換(Ryzen付属のWraith Stealth→AK400への交換)は特に問題ありませんでした
やはり事前の「BIOSの更新」がトラブル起こりがちみたいですね
CPUの性能差とは何なのか?
今回、改めて実感したのですが、最近のPC、もしくはスマホも近い世界になっていると思いますが、例えば何かの作業をしている時間が
30秒→20秒になる
30秒→15秒になる
とかは「速くなった」「凄く速くなった」と体感できると思います
3秒→2秒になる
3秒→1秒になる
も、「ちょっと速くなったね?」「速くなったの分かるね?」ってレベルだと思います
0.3秒→0.2秒になる
0.3秒→0.1秒になる
だとどうでしょうか?「速くなったのか?」「速くなってないのか?」違いは分からないんじゃないでしょうか?最近のPCやスマホで最新機種が出ても「自分の使い方だとありがたみが分からなくなった」というのはそういう世界です
「最新の3Dゲームをやりまくる」とか「YouTuberとかで動画エンコードしまくる」とかの一部の用途を使ってる場合だけ高性能なPCのありがたみが現在でも分かるんだと思います
余談:CPU温度について
今回のCPU交換をする前、Ryzen5 3600の時のCPU温度は
アイドル時 60℃前後
cinebench R23時 95℃
でした
性能的に問題なかったのでずっと気になりながら「グリス塗り替えないといけないのかなあ?」位に思っていました
思えばRyzenに付いていた標準のWraith Stealth CPUクーラーを使い、最初から塗ってあったグリスをそのまま使っていたのですが、今回CPU交換の際にクーラーを外してみたら「グリスの劣化以前にグリスが異常に少ない状態だった」みたいで「グリスは薄い方がいいとはいえこれは少なすぎたんじゃ?」って思ってます
Ryzen7 5700に変更するに当たってCPUグリスは定番のMX-4を使いました。
今回もMX-4を新規で購入したのですが到着が間に合わなかったので5年前に前CPUと一緒に購入したまま一度も使った事の無かったMX-4の方を使いました
結果としてはRyzen7 5700Xでは
通常時 30℃
cinebench R23時(10分弱の時点で) 50℃
と非常に温度が下がって驚いてます
あまりに低いのでcinebenchちゃんとCPU使ってんのか?と確認したらちゃんと使ってました
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